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《シネトライブ2004 審査員講評》

■松川孝雄氏(テアトル・タイムズ・スクエア支配人)

 興行に携わる者としての選考基準、それは劇場でかけてみたいと思える作品か否かということです。私自身、リスクを感じつつも、広く世に出るお手伝いをしたいという気持ちが勝って自主映画の上映を手がけたことが、過去何度もあります。技術や演出に多少の稚拙さはあっても、製作スタッフの意欲や強固な意思が反映されていれば、魅力的に映るもの。自分にとっては、未知の作品のひとつとして、分け隔てはありません。
 ことし拝見した10数本は、時代劇、近未来SF、ホラー、青春ドラマ・・・とヴァラエティに富み、またスコープサイズや8mmなど、フォーマットや素材へのこだわりも伺え、アグレッシヴな姿勢にまず好感を持ちました。青春の途中下車というか、モラトリアムというか、うだうだと日常を過ごす若者の生態をとりとめもなく描くのは、最近の自主映画の悪しき傾向だと個人的には感じていたので、破綻を恐れずチャレンジする精神は大いに歓迎するところです。しかしながら、肝腎の作品そのものには、"熱さ"があまり感じられませんでした。いくつかの作品で、瞬間"おっ!"と身を乗り出すシーンはあったものの、残念なことに勢いが持続しない。最も気になったのは、登場人物に生気が感じられないことです。確かに言葉を話し、動きはするものの、まるで作り手が操る人形のようです。これでは、見る側の感情は動きません。架空の存在である彼らに、如何に人間の厚味を持たせられるか。"こんなもんでいいか"という妥協は、観客に必ず見抜かれます。キャラクター造型における掘り下げ、シナリオの構築、そして撮影現場でも、時間が許す限り、粘り抜く。是非、心してほしいと思います。また、ほとんどの作品に言えることですが、録音状態が悪いことも大変気になりました。
 厳しい指摘をしましたが、それでも一言触れておきたい作品もあります。

『たいようとめろんパン』
 破綻のない展開に物足りなさはありましたが、最もまとまりを感じた好感の持てる作品です。少女や用務員役の俳優さんの微妙な表情の揺れ動き、台詞回しには、その人物を深く理解したのだなぁと思わせる血の通ったリアルさがありました。
『ニューデイズの人形』
 情報量の不足で、描く世界観の把握が困難な点は惜しまれますが、不思議な空気というか雰囲気を持った仕上がりでした。高純度酸素?の密造を手伝う(兄妹の)兄役の俳優さんの好演が作品をグッと引き締めたと思います。
『ナショナルアンセム』
 黒沢清監督(もしかしたら浦澤直樹の一連の作品にも?)へのあからさまなオマージュが面映い本作。ですが、それだけでは100分持たせられないことも事実でしょう。最初の15分間、現代社会がはらむ不気味さ、不穏な感じが非情にうまく醸成されていることに感心しました。

■松村厚氏(第七藝術劇場支配人)

 昨年に引き続き、「シネトライブ2004」に多数応募された作品の中からシネトラ審査員賞の選出を引き受けましたが、多少気が重いという所が正直な気持ちでした。応募された皆様が苦労されて製作された作品を評価するという立場に自分があるのかということですが・・・・。よって今回選出させていただいた作品もあくまで私の映画に対する嗜好に適った作品ということでご容赦ください。
 全体の印象としては私的には昨年度のシネトラコンペ作品の方がバラエティに富んで(作品の良し悪しは別にして)面白かったということです。今年は描かれている対象は違うとはいえ、一昔前のぴあフィルムフェスティヴァルの青春映画を見せられているという感じであまり新鮮味は感じませんでした。そこで今回は対象作品はなしということにしようかとも思いましたが今後の可能性というか、何かわからないけれどひきつけられるものがある長谷川高也監督の『ニューデイズの人形』を審査員賞に選出いたします。近未来の設定と言いながらどこが近未来なのか??ほぼオンボロアパートと野原だけでシーン構成された中で奇妙な共同生活を描き切る。自分が映画で描く世界を信じ切る監督の確信みたいなものを感じました。つい最近見たジョン・カーペンター監督の傑作『ゴースト・オブ・マーズ』にも通じるような・・・それは言い過ぎかもしれませんが。

■アレックス・ツァールテン氏(Nippon Connectionディレクター/映画批評)

《マリコ三十騎》
 私的な作品なのに、自分の現状・歴史をテーマにしたホーム・ムービーではなく、逆に自分(本当の話かどうかを別にして)を話術の道具として使い、皆に面白いトピックを扱っている。そのような技術によって、歴史と個人との関係を探検している。しかし一番面白かったのは、この作品の中でフィルムは歴史を作る媒体として探検され、すなわち「経験」と「現実」とフィルムの関係についても考えさせる作品だと思いました。作品の技術(撮り方、モンタージュ、音の使い方など)も、とても個人的な感じなのに、上手にでき、密閉な「マリコ」世界を作りながら観客を締め出すわけではなく、面白さで観客を見させる作品ではないかと思いました。その上撮り方によってさらに個人経験・歴史・フィルムの関係が出ている。
 つまりこの作品は様々なレベル(技術、話術、媒体、個人など)で同じ質問を扱って、非常に面白い結果になったと思います。
《ニューデイズの人形》
 完全にできた将来の世界の三人の話。監督は実験を狙わなくても、非常に効率的な演出で斬新で面白い雰囲気を作ったと思いました。にかかわらず、美術も、演出も、雰囲気もただ面白さのためではなく、三人の主人公の話のためである。全部の要素はその三人の関係を表すために使われ、監督は作品の焦点(キャラクター)を上手に守っていると思いました。
 俳優の演出だけはもう少し力を入れて欲しいが、そんなに上手な技巧で新しい世界を作り、技術とキャラクターのバランスができ、関心したと思います。

■富岡邦彦(シネトライブ2004代表)総評
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