大阪芸術大学出身で、山下敦弘監督の『ばかのハコ船』にもスタッフとして参加した経歴をもつ、伊月肇監督の『−×−(マイナス・カケル・マイナス)』。はじめは3つの物語から始まったというこの作品、『悲しくなるほど不実な夜空に』を見て影響をうけ、結果的に澤田俊輔氏に出演をお願いするに至った経緯や、ロケーションについてのお話をお聞きしました。

伊月肇監督 おかシネマ監督

おかシネマ(レポートは近日アップ)

ドライヴ100マイル!(レポートは近日アップ)








京都造形大学とビジュアルアーツ専門学校、それぞれの卒業制作として作られた『ろくでなし』と『はるの卵』。『ろくでなし』は京都にあるバー「ろくでなし」の店長、「はるの卵」はある女性をおったドキュメンタリーです。何故その人を撮ろうとしたのか、という質問に答えて、二人とも現在の自分または40年後の自分と照らし合わせながら撮っていると言われていたのが印象的でした。

園部典子監督 千賀未来監督 佐々木育野監督

『或る山』の佐々木育野監督の舞台挨拶でした。東京でも色々な制作現場で活動してきた佐々木監督。今回上映した『或る山』は、もともと制作の段階で3部作にする予定で作られた第1作目で、3年間に渡り毎夏撮影をされた作品だそうです。東京のアップリンクでは、前作の『痴食』が上映され、『或る山』の第2部の撮影も控える佐々木監督の今後から目が離せません!

山崎樹一郎監督 藤久喜友氏、 岡本隆氏

大阪出身で現在岡山で農業をしながら映画製作・上映活動を行っているという山崎樹一郎監督の『紅葉』。『京極真珠』の佐藤訪米監督に上映活動というものがどういうものかということを学び、その後京都学生映画祭などに関わりながら活動されていましたが、3年前に岡山県に移動されたということです。岡山県でシネマニワという上映活動を精力的にやりながら、そこで出会った人達と今回の『紅葉』を完成させたようです。本日は主演俳優の藤久喜友氏と助監督の岡本隆氏も岡山から来場されました。







PLANET+1が主催したシネ・トライヴ・ワークショップから生まれた3作品。その3監督のトークです。『喧騒のあと』の主演の西山真来さんは、木村文洋監督の『へばの』の主演を演じておられます。『喧騒のあと』でのリハーサルの時は全く動かなかったということを唐津正樹監督が話されて、木村監督も同じだったということで同調しておられました。木村監督と神農了愛監督は「小谷可南子」という共通があり、神農監督が小谷さんを使って映画を撮りたいと思っていたところ、木村監督に『小谷可南子の手馴れた砂』を先に撮られたということです。唐津監督と神農監督の共通は『赤い束縛』に主演した女優平原さんが神農監督の『ユキとカナコの昼下がり』に主演しています。

木村文洋監督 神農了愛監督 唐津正樹監督

『調度いい体温と文字数』『光』濱本敏治監督と、『なんかついてる』藤林久哉監督2人揃っての舞台挨拶でした。濱本監督は今までにも色々な監督の制作現場などに参加されている方で(なんと『TOKYO!』のポン・ジュノ組の小道具もされていたそうです!)ついこの間、新作を撮り終えたばかりだそうです。一方、藤林監督はCG関係のお仕事をされているそうなのですが、実写を撮るのは今回が初めてで、しかも今回、上映日と題名が決まった上での作品制作となったそうです。そんな2人がたまたま同じプログラムでの上映となりました。これもシネ・ドライヴの面白さではないでしょうか。偶然、2人は顔見知りだった様で、トークもとても弾みました。今後の上映活動に関しては2人とも「作って終わりではなく、きちんと上映という形にもっていきたい。その為には自分一人だけではなく、同じ思いの人たちで集まり、協力して上映するという形が理想的だと思う」と熱く語ってくれました。

濱本敏治監督、 藤林久哉監督






『GO GO まりこ』は、大阪芸術大学出身の前野朋哉監督の作品。前野監督は今年のCO2での企画制作部門の監督の一人で、「脚の生えたおたまじゃくし」という作品を撮られ監督に加え役者としても出演しておられます、この作品でも監督自ら主演もしています。今後これらの作品についての映画祭の出品などの展望をお話いただきました。

『犬は吠えるがキャラバンは進む』植田健監督と、『手話刑事』谷新一監督2人揃っての舞台挨拶でした。お互いに初体面ながら、同じプログラムでの上映ということで、お互いの作品を見た感想や、作品制作の経緯、そして今後の制作活動とそれに伴う上映活動についてどう考えているかなど聞かせてもらいました。

前野朋哉監督 谷新一監督、 植田健監督 松野泉監督

『小さなネズミの行列が…』の松野泉監督は思考ノ喇叭社という団体に所属し、作品を作っておられます。今回の作品はCO2主催のワークショップの作品で、スタッフはほとんど映画製作に始めて触れる人達だそうです。作品の構想は京都にある池で撮影をしたいと思ったことから始まったこと、また、役者の一人がリハビリを兼ねてこのワークショップに参加されたことを語っていただきました。

唐津正樹監督、 安川有果監督 唐津正樹監督

『赤い束縛』の唐津正樹監督と『幸恵』の安川有果監督のトークバトル第1段!今回は『赤い束縛』についてのトークです。夫婦と一人の男(主人公)の関係を描き出すなかで、束縛というのは主人公には不可能で夫の方にあてはまるものではないかと安川監督。あと唐津監督は何故劇中でヨーグルトを食べていたのですか?という質問に対して、ヨーグルトはご飯なのかおやつなのか分からない、といっておられたのが印象的でした。この二人の対談は次回30日の『幸恵』の時にも行われます。







昨日は「ダンプねえちゃんとホルモン大王」で登場いただいた、宮川ひろみさんの再登場。本日は『ヒミコさん』でのトークです。上映する毎に編集が全く違って驚くということ、演出は細かな指示も入るということをお話いただきました。自分自身で出演した作品のチラシを作り、お客さんに手渡しするなど、宣伝にたいする熱心さには感心させられるものがありました。

宮川ひろみさん






常本琢招監督の最新作『蜘蛛の国の女王』が上映直前に完成。ご本人が飛行機で届けていただきました。本来は4月に完成予定だったのですが、今回無理を言ってプレミア上映に入れさせていただきましたので特別です。完成は15日の朝5時だったのです。
同じくピンク出身の鎮西尚一監督の助監督で80年代にピンクの傑作として知られる『制服本番 おしえて!』でデビューしその後Vシネマ時代にも多数監督しました。今回は02年に映画美学校の講師として監督した『みつかるまで』も上映。トークでは60年代に東宝のプログラムピクチャーで育ったという話もしていただきました。少し不条理な『みつかるまで』に対して『蜘蛛の国の女王』ではプログラムピクチャー的な娯楽スリラーとなっていました。かつてマキノ雅弘監督へのインタビューなどもされており、「映画侠区」の皆さんとも盛り上がった結果。4月11日に『制服本番 おしえて!』を含む常本琢招特集が決定しました。そこでは常本琢招さんがかつてPFFでも受賞した初期8mm作品も上映します。映画としての顔とともに熱心な映画ファンとしての顔も満開することになるでしょう。詳細はPLANET+1のHPにも掲載します。

ビジュアルアーツを卒業して滋賀県の映画館で働きながら映画を作っている奥村賢治監督。今回は過去に撮られた作品『でたらめたいじ』を再編集して提出していただき、やはり作るのは雑ながらも面白いな、ということをおっしゃられていました。

常本琢招監督 奥村賢治監督 宮川ひろみさん

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で「宮川ひろみ」特集もさ、自主制作映画の女王の異名を持つ宮川ひろみさんが登場! 宮川さんはここ数年、藤原章監督の三部作『ラッパー慕情』に出演し『ヒミコさん』そして最新作『ダンプねえちゃんとホルモン大王』では2作連続して主演されています。今回は藤原章監督の独特の撮影スタイル(自主制作の伝統をすら感じさせる)についてや登場人物のキャラクターの変化などをお聞きしました。

今回は『十善戒』の一編を含む4作品を出品いただいている千浦僚監督。本日は主演された『やくざと地底人間』後に舞台挨拶をしていただき、映画美学校に在籍していた時の講師陣について、主に高橋洋監督について語って下さいました。自身が出演した作品についても色々と話して下さいました。

高校時代から自主制作映画に取り組み、制作会社でも映像に携わってきた渡辺シン監督。仕事としてだけではなく、自由性、そして観客を選ばない映像作りが出来るのはやはり自主制作だということで、楽しんで撮ることが出来たと話してくれました。久々(10年ぶり)の制作で、舞台だけでなく、映像を主に仕事としている役者さん達の出現など、自分としてはその10年の間の変化に驚く事が多々あったという。続編となる3、4話にも期待してくださいとの頼もしいコメントも頂きました。

渡辺シン監督、 Yoshino監督

自主制作を始めたのはここ数年だが、今も同時に3つの構想を同時進行していると言う程創作意欲に溢れるYoshino監督。もともと映画は好きだったが、映像関係の学校には行ったことはないそうで、ある日突然撮りたい映像が自分の中に湧いてきて、それが映像制作をし始めたきっかけだったそう。出演者は自分からスカウトする事が多いそうで、「私の作品に出てもらう為にこの人と出会ったんだ、とポジティブに解釈しちゃっています」とにっこり笑いながらコメントしていました。場の雰囲気を和やかにしてくれそうな、優しい雰囲気の監督さんでした。

奈良を拠点に約20年に渡り映画制作をされている横田丈実監督。今回は主にPFF以降の制作作品について語って頂きました。もうすでに第七芸術劇場や当館でも公開されている作品もあり、舞台挨拶も慣れておられる様子でとても和やかなムードでした。制作スタッフはここ数年ほぼ同じメンバーらしく、20年の実績といい、映画を制作する土壌はもうしっかり出来上がっているという貫禄の様なものも感じられた舞台挨拶でした。








シネ・ドライヴが協賛企画として参加する「大阪アジアン映画祭」が終了しました。 その中でも特にインディペンデント映画に特化した“アジアン・ミーティング大 阪”は今年4回目です。
まずは今年のロッテルダムで批評家賞を受賞したエドウィン監督の学生時代から の作品を上映(これはまだシネ・ドライヴでも上映されます)。インドネシアにも デジタルシネマから新しい才能が登場しました。
続いて『ムーン-ジェームス・ウォンの歌詞による7つのアジアの物語』。こち らはPLANETが製作にも関わった山田雅史監督の『ユリの枯れる頃の声』も含む7 人のアジアの監督がニューヨークから中国、シンガポールまで多様で奇妙なラ ブ・ストーリーとなりました。
舞台挨拶は山田雅史、この作品にも中国から参加したイン・リャン監督そして1 編の監督であり全体のプロデューサーも務めたハーマン・ホーが立ちました。 ちょっと緊張ぎみのハーマンのギョロ目は印象的でした。

イン・リャン監督(左端) 山田雅史監督 ハーマン・ホー監督

 そして日本側からのホスト・ゲストとして井土紀州監督に来ていただきまし た。シネ・ドライヴでは10年前の『百年の絶唱』そして『ラザロ』三部作も上映 していますが、出来たばかりの『行旅死亡人』の初上映。こちらも『ムーン』と 同じくワールドプレミア上映なのです。
井土氏なりの社会派サスペンス娯楽映画を目指したもので『ラザロ』よりより広 がりの出る作品になるでしょう。こちらは本年中には海外映画祭や国内での公開 も予定されています。

井土紀州監督 シンポジウム シディ・サレ氏

そしてシンポジウム。
日本側のインディペンデント映画のホスト・ゲストでもあるのはこれが世界初上 映となる『行旅死亡人』の井土紀州監督。そのプロデューサーでもあり、今回大 阪アジアン映画祭の字幕の仕事でもこられた吉岡文平氏、加えて『ラザロ』の宣 伝も担当した元・PLANET+1のスタッフでもあった吉川正文氏にも来ていただき、 その多くが映画祭での上映だけで終わってしまうインディペンデント映画のその 後についてそれぞれの国の事情も含めて状況を確認しあうシンポジウムとなりま した。

イン・リャン、イ・サンウそして来日出来なかったエドウィン監督の代理でプロ デューサーであり撮影監督でもあるシディ・サレ氏、井土氏とそのプロデュー サーの吉岡文平氏と、『ラザロ』から昨年大きな話題となった『靖国』も担当し た吉川正文氏を交えて、それぞれの国、中国、韓国、インドネシア、日本でのイ ンディペンデント映画の上映状況について話しました。産業の小さいインドネシ アではサレ氏自身もCMのディレクターで生計をたて、そのお金で映画を撮るのが 主流のようで、海外での映画祭上映を経て、国内ではホールや学校での上映では 多数の観客を得れるが、映画館ではエドウィンの長編作品『空を飛びたい盲目の ブタ』(こちらはメインの大阪アジアン映画祭で)もなかなか公開されないとのこ と。しかし産業の小ささが幸いしているとは言えるでしょう。
一方中国では国家・政府が製作する映画とはまったく別のスタンンスでインディ ペンデント映画が製作されており、制作費も低予算だが国内では映画祭での無料 上映しか出来ないとのこと。その後DVDとなって人々が沢山観るチャンスがある ようです。面白いのはそういった環境であるためイン・リャンは映画館での無理 な上映にはまったくこだわっておらず、ロング・ショットを多様するもっともス クリーン向きでもあるイン・リャンが劇場での公開に対して強い想いがないとい うのもこれは新鮮な発見でした。
韓国のイ・サンウはやはりバジェット的にも多額で多分イン・リャンの100倍近 い制作費。韓国ではやはりアメリカ式の映画教育が主流なのか作家達はマンショ ンを売って映画を作り、借金を抱える場合も多数あるとのこと。もちろんキム・ ギドクの助監督をしたイ・サンウの作品等も配給がつかず、映画祭での上映が中 心となるとのこと。ただ韓国ではやはり劇場公開されてようやく職業映画監督と なった実感があるようでこのあたりは日本と共通するところだろうか。井土、吉 岡ら『ラザロ』チームは日本のインディペンデンント映画=自主映画の方法、つ まり映画上映運動という考え方での展開に可能性を見いだしましたが、毎回そう いった運動を続けていくのも困難なものです。
というわけで「劇場で公開すること」と「多数の人々に見せる」ということはか ならずしも一致しないということは明白ですが、イン・リャンは自らも多数の作 品を海賊版DVDで観てきたという体験もあったが以外に劇場での公開へのこだわ りがまったくなく。取り続けるのが目的で、なんと彼は自作の海賊版DVDを買っ て友人にあげたこともあると言うのです!
ただ検閲の問題は中国と韓国にはまだのしかかっているようで、表現と自由の問 題には彼らインディペンデント監督は直面せざるを得ないのです。となると日本 のインディペンデント作家にはかなりの可能性があるということになりますが、 作家にそのポテンシャルがあるかどうかが問われることになります。まさにこれ はシネ・ドライヴの監督たちにのしかかる自らの内的な問題ということになるわ けです。
イン・リャンが作った作品を海賊版でもいいいから見せる。観客に届ける、とい うのとシネ・ドライヴで上映されているのに上映にはあまり興味がない日本の若 い監督たちとの間にある落差、あるいは格差、というのはいったいなんだろう か…。これはまずシネ・ドライヴ期間中にも解決の糸口を見つけなければならな い問題なのです。そいいった意味でも20日のオールナイト・トークはかなり重要 な問題提起がされてもいいでしょうね。(期待!)
吉川氏とはあらためて日本の若手映画作家を集めたシンポジウムが必要ではない だろうかという提案もあり、お金のあるプロデューサーに釣り上げてもらうのを 待っている消極的な若い作家を叱咤しなければならない必要性を感じたしだいです。 彼らは格差社会にあってまさに「蟹工船」の労働者ですらない「蟹」に見えてき ます。まず「蟹」を人間にしなければ始まらない。シンポはやはり通訳の時間も あってまったく足りないのです。

イン・リャン監督 イ・サンウ監督 劇場ロビーの様子

夕刻になってイン・リャン作品の上映。彼はすでにロッテルダム国際映画祭や東 京フィルメックスでも批評家賞を受賞している中国の第7世代を代表する監督で すがようやく大阪にやってきました。彼の初期の短編はすでに「シネトライブ」 でも上映しており、アジアン・ミーティング大阪では長編第1作の『あひるを背 負った少年』そして第2作の『アザー・ハーフ』も上映しましたが、今回は日本 では初上映となる長編第3作目の『好猫/グッド・キャット』を初上映のため大 阪入りしました。「黒猫も白猫もネズミを捕る猫は良い猫だ」というトウ・ショ ウヘイの言葉を現在の格差が激しい中国社会を背景にあてはめた作品です。不動 産で大儲けする男の運転手が主人公。彼はどういった行動を取るのか…
イン・リャンはすでに注目の監督でジャ・ジャンクーに続く中国の新人ですから すでに人気はあります。イン・リャンと話したいという日本の若い監督も多数い ます。クールなイン・リャンそして韓国からはイ・サンウ監督の『トロピカル・ マニラ』。こちらも当然日本では初上映ですが、これは昨年08年のロッテルダム 国際映画祭で上映されたものです。しかしロッテルダムでの上映ではよりハード なシーン(主人公の少年が父親のペニスをカットして韓国国旗を燃やす)があっ たため昨年のソウル・デジタル映画祭では別のバージョンを作ったとのこと。国 旗を燃やすシーンがあれば韓国では2年間禁固刑が科されるとのこと。作品も ハードなものですがイ・サンウ本人はアメリカ留学し映画を学び、その後単身 フィリピンへ渡って作品を作り上げたとのこと。

こちらの主人公は追いつめられた少年です! 激しい怒りがようやくみなぎる!  この主人公は反逆するのです。この歪んではいるがあるべきエネルギーは日本 の若手作家には感じられないものでしょう。
しかし本人は気さくで楽しい男で当方のボランティア・スタッフとも大いに盛り 上がり、大阪では「ヘンタイ監督」となってしまいました(笑)。そして実は自称 韓国1のチラシコレクターでもあるとのこと。その後ヒマな時間にはふと消え て、大量にチラシを持って帰ったようです。

カフェにて 控え室 劇場外にて