トップページ > 開催報告

2006年7月23日(日)11:00〜15:00 『演出と演技のさじ加減』

講師:唐津正樹(映画監督)



第2回目の講師は、京都在住の映画監督・唐津正樹。

大学の映画研究会時代より自主映画を量産、卒業時に制作した『舞踏の星』(04)で「登場人物」「役柄」ではくくれない、とにかく“なまなましく”現代に生きる、男女一組を息づかせた。その後、第1回のCO2の企画制作作品として監督した『赤い束縛』により、主演の平原夕馨は女優賞を獲得、後藤直樹もその演技を絶賛される。俳優との共同作業が注目を受けている監督だ。


前回の松江哲明による試みは、初対面同士のインタビューを軸にした「演技・演出 以前に、目の前の人物はまずどれだけ面白いのか」を探り当てることだった。今回、唐津正樹はこの試みを引き取り、それぞれの人物が自前の面白さを持ち寄り、いかに「映画上の人間関係」を面白くするかを“演出”することを試みる。

今回は俳優コース専用のカリキュラムであるが、なんと監督・製作コース受講生がほぼ全員参加。急遽、彼らを前に押し出したカリキュラム案を考えた。

まず、唐津監督による俳優コースへのインタビュー。
今回は、「それぞれの俳優の特性を、監督コースに向けてプレゼンする」ことを目的とする。

次に唐津監督作『赤い束縛』をテキストに、エチュードを行う。前のインタビューを引き取って、2人の俳優を唐津監督が選出。 舞台・映像両面で活躍する女優・弓井茉那を相手に、同じシークエンスで2通りのエチュードがなされた。

ここで唐津は、「舞台における演技」と「映画における演技」との狙いの違いを指摘する。選抜された俳優2人のうち、川内絵里奈さんは主に舞台を活動の場にし、小谷可南子さんは映像ワークショップで演技を学んだ。それぞれの「見せ方の違い」について講評した。


以上を踏まえ、2人一組による俳優カップルをつくる。監督コースにそれぞれ演出したいカップルを選ばせ、5班を構成した。各班、「映画における1シークエンス」を意識した脚本を30分間で書き上げる。

各班エチュード各班、エチュードを披露する。唐津監督は脚本作成にあたって、「どういった場所でこのシークエンスが展開されるのか」を想像しながら書かせた。が、当然演じるのはワークショップ会場であり、なかなかその「場所」と「状況」とをイメージするのは難しい。

一度エチュードを行い、唐津監督によるアドバイスを経て、もう一度エチュードが行われる。

そして忘れてはならないのが、これはあくまで「映画における1シークエンス」であるということ。このシークエンスが終わっても、また始まる前にも、登場人物たちは生き、関係している。
 
それらの「前後の時間の人間関係」までを想像させることを、唐津監督は提起した。
それぞれの「面白さ」を持ち寄った俳優たちは、今度は「映画上の人間関係」を生きられただろうか?


エチュードを総評する
唐津正樹監督
『赤い束縛』
エチュード風景
各班
エチュード風景


Copyright (C) 2006 PLANET+1 All Rights Reserved.