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2006年8月6日(日)11:00〜15:00 『まず何を撮りたかったのか』

講師:山田雅史(映画監督)



監督・製作コース一回目の専門カリキュラム。 講師は、『つぶろの殻』(PFF2004入選)、『堤防は洪水を待っている』(第1回CO2企画制作作品)などの監督で知られる山田雅史監督。

画家から出発し、18歳の折に映像の方に進んだ。映像の方向に進んだ動機を山田監督は、「一本の樹があって、そこにブランコがかかっている…。それを絵に描きたいと思ったんですが、風にブランコが揺れたり、草が揺れている、ていうイメージが絵では表現できなくなって。映像だな、と」と語る。

山田監督の作品を一見すれば分かるが、画面のフレーム、色彩、質感。すべてが徹底的につくりこまれたもの。 まず一人で映像風景をつくりあげるところから始まった映画作家だ。 そうした山田監督のカリキュラムは、「カメラを持って外に出て、2分の映像を撮って来てください。外に出て、何を撮りたいと思ったのか。それを撮ってみてほしい。編集はできないので、撮りながら編集する。

それを午後にここに持ち帰って、観た人から僕が指名しますから、意見を言って下さい。」と言われた。
真夏の暑い昼下がり、中崎町をハンディカムを持った監督コース受講生が、それぞれ闊歩する。



撮り上げられた2分間の映像は、監督コースの人数分、10数本にも及んだ。 加えて特別参加した俳優コースが一班を組み、これもまた好きに映像を撮ってみる。

中崎町という、大阪の中心を少し外れたロケーションから、それぞれ物語を、風景を、主張を持ち込んでくる。

「動いているものを撮ってみようと思った」 前田憲宏さん
「とにかく涼しいものが撮りたかった」 山口文秀さん
「家々の隙間を撮りたいと思った」 稲葉淳子さん
「発展している場所と発展していない場所との対比を撮ろうと思った」 渋谷宗孝さん

吉岡研治さん、皆川由起さんは、監督コース数人と組んで、芝居を組んだ映像を撮ってくる。石井勇己さんは現場で店の従業員さんに出演をお願いし、それを撮るということも。笹谷遼平さんのカメラはTV番組のカメラに間違われ、商店街の親父さんが不況についてまくしたてるという一幕になり、会場の爆笑をさらった。

すべての2分映像を山田監督が講評し、受講生も講評する。
 
最後は、山田監督『つぶろの殻』メイキング映像を、監督の解説つきで上映。「一人でまず何を撮りたいと思ったのか」から発展された「集団作業」としての映画づくりの現場。美術をはじめとした撮影準備に数年かけ、数日間で一気に撮影したというこの作品のメイキングを観て、度肝を抜かれた受講生もいたようだ。「早く映画を撮りたいと思いました」と語る。

山田雅史監督
花坂民男作品
テーマは「下町の美学」
2分映像撮影風景


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