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2006年11月12日(日) 11:00〜18:00 『合同オーディション』

講師:板倉善之(映画監督)/信國輝彦(俳優)



俳優コース/監督・製作コース ともに、それぞれ3回の専門カリキュラム、 加えて、2回の合同カリキュラムを経て、 9回目のワークショップとなる11月12日(日)。


「俳優は、何を見せたいのか?」

「監督は、何を見たいのか? 」


そもそもの動機を、板倉善之監督(※1)と信國輝彦とが確認しあう、ワークショップの打ち合わせでのミーティングは個人的に本当に刺激的だった。そのお二人の戦略自体はここでは伏せるが、このミーティングを通して、「女優の驚いた顔」をオーディションで観る案が二人の中で煮詰められる。

それは板倉監督が、前回10/15の『脚本構成』のディスカッションを経て改稿された5本の脚本のうち、「演出したい脚本」にミステリーと化した皆川由起さん執筆の『セツナブルー』を選んだからだった。

11/12当日。俳優の「何を見せたいか」、監督の「何を見たいか」。それが始めにぶつかりあう“合同オーディション”を、最終合流地点の幕開けとした。


(※1)板倉善之……大阪藝術大学在学中の第一回監督作『日の底で』は、京都国際学生映画祭、CO2をはじめとし、数々の映画祭で認められる。その後、第2回CO2(シネアスト・オーガニゼーション大阪)に企画助成監督として参加し、最新作『にくめ、ハレルヤ!』(06)を監督。

思考ノ喇叭社http://www.shikounorappasya.or.tv/menu/menu.html(映像制作団体)も組織し、2006年は自主上映「FACKEL」をPlanet+1において主催する。




板倉監督オーディションにおいては、様々な質問のあと、信國輝彦講師を相手役とした、「想像外の状況に巻き込まれた」対応を、各女優が即興で行う(『セツナブルー』の演出シークエンスは、女優のみの芝居場)。その中で、板倉監督が「想像外の行動に出て、単純に面白くて笑ってしまった」という西山真来さん、外見のインパクトに惹かれたという姜華栄(カン ファヨン)さんが選抜される。

板倉監督独特の、動きを中心としたリハーサルを数回経た後、板倉監督の回は終了。

つづいて、監督コースのオーディション。『タソガレルコーヒーノイロ』の花坂民男さんは、谷進一さんと吉岡研治さんと組んで喫茶店のマスターと男性客との一幕を演出し、 『自殺した親友の代わり』の真猿さんは、入念な男優陣へのインタビューの結果、安藤匡史さんを選抜し、リハーサルに入る。しかし演出場面は、「自殺する瞬間」の演技。尋常ではない状況下を、幾度もリハーサルする。熱が入りすぎたのか、数回に渡って繰り返されるリハーサルに安藤さんの疲弊を心配し、俳優陣からストップがかかる。ここで議題は、難解な問題へと突入する。

信國輝彦講師は、あくまで俳優の立場から「自殺に関しての論議はまだここでは出来ないが、俳優はひたすら監督が求めることにまず応じる。そこから始めるしかない。」とする。対して監督側からは、あまりに難解な問題に対して、監督の立位置も不明なまま、ただ体現する俳優に負担が加重されていくのはどうなのか?という非難も寄せられた。

ドキュメンタリーの脚本、作劇、という難題は前回の「脚本構成」においても真猿さん不在のまま展開されたが、それがさらに俳優を巻き込んだ場合、もっと手がつけられない難題になりかねない。リハーサルにさえ入る前の、ディスカッションの不足を私は感じた。戸田光啓さんの「俳優が技術的にそれを成し遂げることは俳優側のテーマになるかもしれない。しかし、それが映画の主題に近付くことは無いのではないか?」という問いが、個人的に突き刺さった。

板倉善之監督(右)
姜華栄さんを演出する

西山真来さん オーディションの
エチュードで見事選抜
真猿さんのリハーサル後の
議論風景


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