映画に関わる女性たち(講座)

【2008年05月31日 】

女性のための映画製作講座 報告

映画の現場で活躍している女性たちから直接話を聞くことができる貴重な機会、ということで「女性のための映画講座」という企画が催されました。
司会という大役を与えられた私、当日初めてお会いする方々ばかりの中、うまいこと話をすすめていくことができるのか?そしてこのお茶会付きの、ガーリーな企画は、関西の女性映画人を盛り上げていくきっかけになるのか!?
・・・・そんな不安をかかえての映画講座、いよいよスタートです!

 


レポート::皆川由起 (京都造形芸術大学映画学科非常勤講師)
 広告代理店勤務を経て、テレビ制作会社に入社。 以後フリーのディレクターとして  約5年間テレビ番組制作に携わる。
関西に移住後、いくつかの自主製作映画に参加。  現在ドキュメンタリー作品を制作中。

14:30〜【製作部の役割】 トーク:大野敦子(プロデューサー)

1975年神奈川県出身。『ユダ』(04/瀬々敬久)、『ギミー・ヘブン』(06/松浦徹)、『パビリオン山椒魚』(06/冨永昌敬)などを制作。また伝説の映画作家・松井良彦監督の『どこに行くの?』(07)や『Tokyo! Merde』(08/レオス・カラックス)をプロデュース。
桃まつり監督作品:『感じぬ渇きと』『granite(グラニテ)』

最初は、映画の配給・製作もしている東京のミニシアター、ユーロスペースのプロデューサー、大野敦子さんの「制作」講座。
つい最近行われた、レオス・カラックスの東京ロケの話などを交えて、映画の制作・プロデューサーの役割などについてリアルな話をしてもらいました。
女性も活躍する場が増えてきたとはいえ、映画の世界はまだまだ男性中心とのこと。
その中で生き残るには、「続ける」というあたりまえのことが大事、という話が印象的でした。
小柄で華奢な外見からは想像もつかないパワーで、次々と映画を生みだしていく大野さんの姿はまぶしいばかり!!映画を志す女性の目標、そんな存在です。

【脚本の仕事】トーク:佐藤有記(脚本家)

1977年神奈川県出身。『ユダ』(04/瀬々敬久)で脚本家デビュー。『孕み-HARAMI-白い恐怖』(04/田尻裕司)『コンナオトナノオンナノコ』(07/冨永昌敬)など、コンスタントに脚本を執筆。最新作は『泪壺』(08/瀬々敬久)。
桃まつり監督作品:『emerger』 

続いて佐藤有記さんによる「脚本」講座。
富永昌敬監督の作品「コンナオトナノオンナノコ」の脚本のエピソードや、瀬々敬久監督のピンク映画の脚本などについて具体的に語ってくれました。
よい脚本とは、読んだときに泣けたり笑えたりする脚本、とのこと。
佐藤さんは、役者さんが脚本を読んだ時、感情がスムースに入っていけるような言葉選びに細心の注意を払っているそうです。こまやかな心遣いが感じられる優しい佇まいの佐藤さん、これからも素敵な脚本を生み出していってください!

ここでちょっとだけ休憩、講座リレーはまだまだ続きます。

16:00〜【監督の仕事】トーク:吉田良子(監督)

1976年神奈川県出身。初監督作品『ともしび』(04)では好きな男性に近づきたくてでも足を踏み出せない女性の歪んだ愛を描き、ユーロスペースにて公開された。

桃まつり監督作品:『功夫哀歌/カンフーエレジー』

「監督」について話をしてくれたのは、いきなりプロのスタッフと組んで長編映画を監督したことのある、吉田良子さん。
その最初の現場で、技術スタッフから「映画は男の世界だから」と先制カウンターパンチで迎え入れられたというエピソードには驚かされました。でもそれらの様々な経験を通して、コミュニケーションの重要性を痛感したとのこと。余談ですが、以前は「尖ったナイフ」と呼ばれていたらしいです・・・(会場笑)。

【俳優と技術部】片桐絵梨子(録音)笹田留美(俳優)

続いて「技術」講座。海外映画ロケに録音技師として一人参加したことのある片桐絵梨子さんが、実際にその映画を見ながら、音の重要性について熱く語ってくれました。 そのほか、笹田留美さん、木村有理子さん、竹本直美さんから映画に対する熱い思いの丈を伺うことができました。拙い司会をフォローしてくださった皆様、本当にありがとうございました!

片桐絵梨子
1980年東京都出身。大学在学時より自主映画を撮り始める。西山洋市監督作『INAZUMA稲妻』(05)『死なば諸共』(06)の脚本を手掛ける。自身の最近の監督作品は、短編オムニバスやくざ23区『ふかがわ』、万田邦敏の十善戒の1篇『不破戒』など。
桃まつり監督作品:『きつね大回転』

笹田留美
1969年東京都出身。舞台・映画で俳優としても活動中。主な出演作に『UNLOVED』(02/万田邦敏)竹中直人の会『隣の男』(岩松了)などがある。初監督作品となる本作は一人芝居を映画化したもので、企画・監督・脚本・主演の4役を務めた。
桃まつり監督作品:『座って! 座って!』

【17:30〜桃まつりお茶会】

ケーキ付でフリートーク!

来場したのは、これから映画をつくってみたいと思っている、または映画を自主制作している20代前半の女性がほとんど。最初は関係者の方が多い?という状況で緊張の中始まりましたが、途中からお客さんも増え始め、最後のお茶会では、関西版「桃まつり」があってもいいね、などの話も飛び出し、情報交換や意見交換の場として7時過ぎまで盛り上がりました!
(その模様は6月末発売のエルマガジンにも掲載されています) 午後2時半から7時前後までの長時間お付き合いいただいた皆様、本当にありがとうございました!

その後、監督たちはオールナイトトークイベントにも参戦!皆様の体力、気力には恐れ入ります。こうでなくちゃ映画はつくれないか・・・。
皆さんともっとお話ししたかったのですが、大人(おばちゃん)の私は途中でリタイヤ、夜も更ける前に帰らせていただきました。
女性監督7人in OSAKAの濃密な夜のレポートは参加した若者にバトンタッチということで・・・。

青山あゆみ
1979年東京都出身。『春雨ワンダフル』(03)がカンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門正式出品、またみちのく国際ミステリー映画祭2004でオフシアターコンペティション最優秀賞を受賞。『やくざと地底人間』(06/植岡喜晴)では脚本を担当。
桃まつり監督作品:『みかこのブルース』

木村有理子
1974年生まれ。短編『犬を撃つ』(99)が2000年カンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門に正式出品されたほか、DVD制作、メイキング撮影、シナリオ執筆の仕事に携わっている。

桃まつり監督作品:『daughters』

ホームニューススケジュールアクセスシネマテーク