カー・アクションとホットロッド映画の原点

【2010年02月27日 から 3月 5日(金) まで 】

カー・アクションとホットロッド映画の原点

《カー・アクション映画の原点》

1950年代の後半アメリカでは映画観客を若返らせるために若者たち向けにドライブ・イン・シアターで上映される青春映画やホラー映画が量産されるようになるが、
いわゆるエクスプロイテーション(低予算のC級)映画の中でも特に車をフィーチャーした作品ということになるだろう。
50年代のアメリカの若者の憧れは「車とロックンロールとポニーテールの彼女」ということになるが、カッコいい車の横に可愛い彼女を乗せてデートはドライブ・イン・シアター。
でロマンチックなシーンでキスでもしようという魂胆だ。
最後のニューシネマと後に言われた『ダーティ・メリー、クレイジー・ラリー』(74)の主演はピーター・フォンダだが、共演したアダム・ロークとともに60年代末のバイカー映画の俳優の一人で、
若きジャック・ニコルソンやフォンダとともにバイカー映画に出演していた。
その衝撃的なラストシーンの直前に二人の会話に出て来るのがロバート・ミッチャム主演の『死の驀走』の話しだった。
70年代から80年代にかけてアメリカの田舎のドライブ・イン・シアターのダブル・フィーチャー(2本立て)で若者に人気のあったのは
この『ダーティ・メリー、クレイジー・ラリー』と『バニシング・ポイント』『アメリカン・グラフィティ』 そして50年代の白黒作品ながらそれらホット・ロッド系のカーアクション映画の原点が『死の驀走』である。
下のHPからYoutubeでアクション・シーンとミッチャムが歌うテーマ曲「Ballad of Thunder Road」が聞けます
全作品16mmプリント字幕投射付



『死の驀走』Thunder Road 1958/U.S.A./93min

監督アーサー・リプレー
製作・原案ロバート・ミッチャム
脚本ジェームス・A・フィリップス、ウォルター・ワイズ
音楽ジャック・マーシャル
テーマ曲ロバート・ミッチャム
出演ロバート・ミッチャム(ルーク・ドゥーリン)、
 ジーン・バリー(バーレット捜査員)、
 ジャック・オーブション(コーガン)、
 キーリー・スミス(フランシー)、
 サンドラ・ナイト(ロキシー)、
 ジム・ミッチャム(ロビン・ドゥーリン)、

1950年のアメリカ南部ではアイルランド系の移民たちの伝統的なウィスキー“ムーン・シャイン”造りが残っていた。朝鮮戦争の英雄ルークは故郷のリロイ・ヴァレーで父が醸造したウィスキーを改造車でメンフィスまで運ぶ。しかし酒税法のため彼らは犯罪者とされ、アメリカ国税局と州警察のターゲットとされた。一方密造酒の製造を組織化しようとするコーガンも密造酒を独占するためルークを狙っていた。何人もの谷の若者がコーガンの手にかかり、死んでいった。ルークは組織にも国税局にもおもねず一人でメンフィスまでフォードを走らせる…。

ロバート・ミッチャムが製作し、主演から原案、音楽まで担当した未公開のカルト映画。アメリカでは南部を中心に80年代までドライブイン・シアターでは人気の作品だった。テーマ曲「Ballad of Thunder Road」はミッチャム自ら歌ってレコード化もされた。ロビン役は最初エルヴィス・プレスリーにオファーされ本人も演じたがったがマネージャーのトム・パーカーが膨大なギャラを請求したため結局息子のジムが演じた。主人公ルークの恋人役にはルイ・プリマの妻でもあるジャズ・シンガーのキーリー・スミスがエンディング・テーマ「夜鷹/The whippoorwill」を切なく唄いあげる。

『ダーティ・メリー クレイジー・ラリー』Dirty Mary Crazy Larry 1974/U.S.A./93min/スタンダード版

監督・製作:ジョン・ハフ
製作:ノーマン・T・ハーマン
脚本:リー・チャップマン
音楽:ジミー・ハスケル
撮影:マイク・マーガリーズ
出演:ピーター・フォンダ(ラリー)、スーザン・ジョージ(メリー)、アダム・ローク(ディーク)
 ヴィク・モロー、ロディ・マクドウォール

ニューシネマの終焉を告げるカーアクション・ロードムービー。ピーター・フォンダと70年代の美女のアイコン?スーザン・ジョージ。ジーンズの着こなしはこの二人に限る! 製作はロジャー・コーマン系AIP出身で後に『ローリングサンダー』も製作するノーマン・T・ハーマンでロディ・マクドウォールがゲスト出演した。主演ピーター・フォンダとアダム・ロークは60年代からバイカー映画の主演俳優でもあり。車に乗り換えた二人の最後はまさにニューシネマの最後であった。テーマソングも良い!DVD版より幾つかシーンが多い版。登場する車はシボレーからダッジ・チャージャーに乗り換える。

{DVDにないシーン}
・スーパーでの強盗の場面で支配人の部下(黒人の女)がラリーを強盗と気づかずにコーヒーを差し入れる。
・捜査本部に陣取るフランクリンに上司のドナヒューが小言を言うが黙って聞き流す。
・車を交換するために寄ったフリーマーケットで男たちがコインを投げるゲームに興じている。ラリーも加わり一人勝ちする。
・フリーマーケットから逃走後、警察がメリーの知り合いの男たちに事情聴取する場面が長くなっている。
 

『エディ・コイルの友人たち』The Friends of Eddie Coyle 1973/U.S.A./102分

監督ピーター・イェーツ
製作・脚本ポール・モナシュ
原作ジョージ・V・ヒギンズ
撮影ヴィクター・J・ケンパー
音楽デイヴ・グルーシン
出演ロバート・ミッチャム(エディ・コイル)、ピーター・ボイル(ディロン)、ステーヴン・キーツ(ジャッキー・ブラウン)
 リチャード・ジョーダン、アレックス・ロッコ、ジョー・サントス、
 

『さらば愛しき女よ』『ザ・ヤクザ』に先だって70年代のミッチャム3部作の第1作と呼べる犯罪映画。
原作はベストセラーとなったジョージ・V・ヒギンズの小説。主人公のエディー”フンガーズ”コイルと呼ばれる男を、『死の驀走』以来久々に裏社会に生きる孤独な男をミッチャムが渋く演じる。
若い密売人をステーヴン・キーツが演じて注目された。キーツが乗り回す車はダッジ・チャージャー。キーツはその後ブロンソンの『狼よさらば』にも出演するがテレビの俳優として多数70年代刑事ドラマにゲスト出演。
重要な役を演じたのはピーター・ボイル。ボイルは『ジョー』で注目され、『タクシー・ドライバー』にも出演する70年代の名傍役。
他にも『ザ・ヤクザ』でもミッチャムと共演するリチャード・ジョーダンが刑事役で、また犯罪映画には欠かせないアレックス・ロッコ、そしてテレビ「ロックフォードの事件メモ」のベッカー刑事役ジョー・サントスも出演。

エディ”フィンガーズ”コイルは中年の武器密売の仲買人である。
妻と子供もおり、そろそろ引退して世間並みにフロリダで引退生活をしたいと思っている。
かつて組織に目をつけられ片手の指を4本折られたため人より指の関節が4つ多い。
すでに前科もあり、保釈中だが裁判には負けそうな状況である。
そんなとき若き密売人のジャッキー・ブラウンと取引することになったが…

『アメリカン・グラフィティ』American Graffiti 1973/U.S.A./110min/シネマスコープ

製作:フランシス・コッポラ、ゲイリー・カーツ
監督:ジョージ・ルーカス
音楽:50年代オールディーズヒット曲
出演:リチャード・ドレイファス、ロン・ハワード、ポール・ル・マット
 チャールズ・マーティン・スミス、キャンディ・クラーク、シンディ・ウィリアムズ
 ハリソン・フォード、ウルフマン・ジャック

「1962年あなたはどこにいましたか?」というキャッチでコッポラが製作し若手のジョージ・ルーカスが監督第二作目として作り上げた青春音楽映画。62年のサンフランシスコ郊外の町を舞台に恋と音楽と車に憧れる若者たちの群像劇。この作品をきっかけに70年代にスターとなったのがリチャード・ドレイファス、ロン・ハワード、ハリソン・フォードだった。実在のDJウルフマン・ジャックを本人役で登場させアメリカでは話題となった。そしてルーカスが選んだ50ー60年代のロックンロール全41曲はリヴァイヴァルヒットとなりサントラも爆発的に売れた。日本では74年の年末に公開(1974年12月21日)された35年前の青春映画の傑作。  

スケジュール




15:00〜 17:00〜 19:00〜
2/27(土) アメリカン・グラフィティ エディ・コイルの友人たち 死の驀走
2/28(日) アメリカン・グラフィティ 死の驀走 ダーティメリー、クレージーラリー
3/1(月) - - 死の驀走
3/2(火) - - ダーティメリー、クレージーラリー
3/3(水) - - 死の驀走
3/4(木) - - エディ・コイルの友人たち
3/5(金) - - 死の驀走

ホームページ

http://www.youtube.com/watch?v=LRH7FtAAbJE
ホームニューススケジュールアクセスシネマテーク