【2009年07月04日
から
7月 6日(月)
まで
】
『トロピカル・マラディ』 Tropical Malady 2004/Thailand=France/35mm/125min
カンヌ国際映画祭2004・審査員賞
東京フィルメックス2004・最優秀作品賞
| 監督 | アピチャッポン・ウィーラセタクン |
| 出演 | バンロップ・ロノーイ、 サクダー・ゲオブアディー |
「人間はだれでも猛獣使いであり、その猛獣にあたるのが、各人の性情だという。
己(おれ)の場合、この尊大な羞恥心が猛獣だった」
中国の「人虎伝」を下敷きにした中島敦の「山月記」の一節が引用され。密林の山村で兵士のケンと村の青年トンが出逢う。
二人のエロティックでゆるい時間が流れる前半。
一転して“呪いにより、人間が虎に変身する”というタイの民間伝承に基づく怪奇な様相を帯びる後半。
映画の新しい可能性を感じさせ、未来の巨匠の誕生を予感させる、映画は新しいことを提供してゆくメディアになりうることを、この作品は特に感じさせた、
などと高い評価を得る一方。2004年のカンヌ映画祭に賛否両論の渦を巻き起こし、
結果、タイ映画史上初の受賞を果たした。
「新しい映画」などそう簡単には生まれないだろう。
というのが映画好きの基本的な考えだと思う。ゴダールが『勝手にしゃがれ』を撮った1959年すでに「新しい映画」などなくすべての映画はグリフィスの末裔でしかないと言いきれた。
もちろん60年代以後も技術的な進歩が新しいカメラワークや特殊効果を生み出してきたし、外見的には新しい映画というものが存在はしていただろう。
21世紀になってデジタルの時代がやってきたことでドキュメンタリー映画は進化した。
しかしここにアピチャッポンの映画を並べてみた時に他の新しい映画とは一線を画する何かがある。
それはいったい何なのか?これまで短編を含め、数本のアピチャッポン作品を上映してはきたが、やはりこの『トロピカル・マラディ』を見た時の戸惑いは10年に一度の体験だ。
まったく異なった前半と後半。怪物としての虎人間は現れるのか?
それは特殊撮影やCGで見せられる虎人間というものではない。
SFやホラー映画でもない虎人間が意味をもったものでもない。
ではなぜこの映画は面白いのだろうか?
いやこれはタイのアーチストが撮った難しい映画だろう。わからんだろう。何かあるんだろう。そんな言い方も当たらない。
我々は後半、いつ「虎」が出てくるのだろうかとドキドキするだろう。
しかしジャングルの中から虎が飛び出してきたりしない。
しかし夜のジャングルの闇の中に虎はいる。
画面を見つめながらこの闇の中に虎がかならずいると確信してしまう。
アピチャッポン・ウィーラセタクン
1970年 タイ・バンコク生まれ。
母国で建築士を務めた後、シカゴ美術大学で映画を学ぶ。
自主製作のショートフィルムが世界中で話題になり、
1996年の帰国後、
アート映画の普及を目的とした非営利組織
「プロジェクト301」の運営に関与。
1999年映画製作会社「キック・ザ・マシーン」設立。
http://www.kickthemachine.com/home/index.html
既存のシステムに属さず、アマチュアを多用し、ドキュメンタリーとフィクションを往来する作品を多々発表。
2000年『真昼の不思議な物体』がバンクーバーや全州、山形の映画祭で受賞。
2002年の『ブリスフリー・ユアーズ』と2004年の『トロピカル・マラディ』が共に、
「カンヌ映画祭」と「東京フィルメックス」で受賞。
2005年『世紀の光』がヴェネチアで大絶賛。現在、最も注目される映画監督。
この他多数のインスタレーションもあり、日本でも個展を開いた。
最新作は短編『ブンミおじさんへの手紙』の長編版だと思われる。
アピチャッポン フィルモグラフィー
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1993年『弾丸』
1994年『0116643225059』
『キッチンとベッドルーム』
1995年『絶え間なく打ち寄せる激しい波のように』
1996年『米、アーティストマイケル・シャワナサイのパフォーマンス』
1997年『タイ映画の100年』
『第3世界』 ※山形国際ドキュメンタリー映画祭アーカイブ
1998年『ジェロを食べるルンガラ』
1999年『窓』
『マレーと少年』
2000年『秘密の情事』(ティラナのために)
『真昼の不思議な物体』 ※バンクーバー国際映画祭 特別賞、全州国際映画祭(韓国) グランプリ、山形国際ドキュメンタリー映画祭 インターナショナル・コンペ優秀賞&NETPAC特別賞
『幽霊の出る家』 ※イスタンブールビエンナーレ 出品、イスタンブールビエンナーレ東京 展出品
2002年『ブリスフリー・ユアーズ』 ※カンヌ映画祭 “ある視点”部門グランプリ、東京フィルメックス 最優秀作品賞
2003年『アイアン・プッシーの大冒険』 ※東京国際映画祭 招待
2004年『トロピカル・マラディ』 ※カンヌ映画祭 審査員特別賞、東京フィルメックス 最優秀作品賞
2005年『世紀の光』 ※ヴェネチア映画祭 招待
2007年 『世界の現状』 “Luminous People”(“State of the World(Estado do Mundo, O)”)(ポルトガル)[短編][監督・編集]
ペドロ・コスタ(ポルトガル)、シャンタル・アッカーマン(ベルギー)、
アーイシャ・アブラハムAyisha Abraham(インド)、ヴィンセンテ・フェラスVicente Ferraz(ブラジル)、ワン・ビンBing Wang(中国)ら
6人の監督が参加したポルトガル製作のオムニバス映画。
2008年 『ストーリーズ・オン・ヒューマン・ライツ』“Stories on Human Rights”(ロシア・他)[監督]
2009年 『ナブアの亡霊』“Phantoms of Nabua”(英・タイ)[短編]
2009年 『ブンミおじさんへの手紙』“A Letter to Uncle Boonmee ”(英・タイ)[短編][監督]
2009年 “A Letter to Uncle Boonmee ”(英・タイ)[長編]
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スケジュール
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13:00〜 |
15:00〜 |
17:30〜 |
| 7/4(土) |
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トロピカル・マラディ |
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| 7/5(日) |
トロピカル・マラディ |
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| 7/6(月) |
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トロピカル・マラディ |
料金
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トロピカル・マラディ |
| 一般 |
1500円 |
| 会員・学生 |
1000円 |
| 20才以下 |
800円 |
前売・予約はありません。
混雑する場合は当日整理券を発券いたします。