【2008年10月19日
から
10月19日(日)
まで
】
サウンド・オン・フィルムVol-10特別編 IN 大阪歴史博物館
一年に渡ってPLANET+1(プラネット・プラス・ワン)で月一回のペースで開催してきたシリーズ「サウンド・オン・フィルム」。これは無声(サイレント)時代の傑作や忘れられた作品を、“新たな音楽”とともに甦らせる企画です。
これまでも無声映画の音楽や弁士を付けての「懐かしの映画」を再現する試みは年に数度、開催されていたりしますが、この「サウンド・オン・フィルム」はそれらとは異なります。なにが違うかというと、まず映画に「懐かしの」などとは付けないこと、つまり昔の音楽を再現するという目的ではないということです。 “新たな音楽”を付けるということはクラシック映画を新たな作品として再解釈するということなのです。フィルムと音楽の“セッション”と言い換えてもいいかと思います。その再解釈=“セッション”に参加していただくのが作曲家でありミュージシャンでもある渡邊崇さんです。渡邊さんにはこれまでも多数のインディペンデント映画の音楽をお願いしてきましたが、このシリーズで渡邊氏自身も観ていなかった古典と言われてしまう映画を目の当たりにして、時にはかなり実験的な試みもしてこられました。渡邊氏はパンク系のロックから実験的な現代音楽そしてクラシックまで幅広く作曲・演奏できる珍しい方であり、若い映像作家から信頼も信頼されています。渡邊さんの全面的なプロデュースによって幅広いミュージシャン・演奏家の方がこれまでこの企画には参加してきました。
第一回目は早川雪洲主演のハリウッドの創設者とも言われるトーマス・インスの『火の海』。2回目もインスの『哨兵』という西部劇でした、以後、グリフィスの『アッシリアの遠征』やデンマークの巨匠ドライヤーの『裁かるるジャンヌ』フランスの前衛映画『アッシャー家の末裔』ロシア・アヴァンギャルドの『カメラを持った男』そして日本映画はバンツマ(阪東妻三郎)のチャンバラ『江戸怪賊伝・影法師』、ドキュメンタリー映画の原点『極北のナヌーク』と回を重ね、今回はいよいよ第10回目を迎えました。
これまでは予算の都合で毎回ゲスト演奏家は一人でしたが、今回はこれまで参加していただいた演奏家が集結し、会場も大阪歴史博物館です。ミュージシャン同士のセッションも楽しみな「特別編」となりました。
音楽プロデュースはすべて渡邊崇が担当。
渡邊崇(音楽プロデュース)
前衛的なパフォーマンス集団や映画とのコラボレーション、そして演劇のプロデュースもこなしながら、かたや、TOYOTA,POLA,キヤノン、そしてSMAPの草なぎ剛出演の『アリエール』など多くのCM楽曲も手掛け、いまやテレビ広告業界において欠かせない音楽家となっている彼は、オーヴァーグラウンドとアンダーグラウンドの間を器用に行き来する21世紀のアヴァン・クラシック家である。その魅力は、彼独自の解釈でクラシックを編纂した新しい現代音楽観にある。ドイツのミュージックブランドonpa))))より1stアルバム「slider」発売中。
| 『路上の霊魂』(1921年/大正10年)35ミリ、白黒、112分[18fps] |
| 総指揮:小山内薫 |
| 監督:村田実 |
| 脚本:牛原虚彦 |
| 撮影:水谷文次郎 |
| 光線:島津保次郎 |
出演:小山内薫(伐材所の老人・杉野泰)、沢村春子(妻・耀子)、
久松三岐子(娘・文子)、鈴木傳明(息子・浩一郎)、南光明(出獄した男)、
蔦見丈夫(出獄した男)、岡田宗太郎(別荘番)、村田実(伐材所の少年・太郎)、
伊達竜子(浩一郎の許婚・光子)、英百合子(別荘の令嬢) |
初期の松竹に芸術を持ち込んだ小山内薫(おさない・かおる)が主宰した松竹キネマ研究所の第1回作品。日本映画(現代劇)の原点となった作品がこの『路上の霊魂』。21年はまさに新しい日本映画が産まれた年でもある。
1916年(大正3年)大正デモクラシーを推進していた文学者たちが同時代の日本映画への批判をこめてあらたに「純映画運動」に集結。中心となったのは映画青年の帰山教正、作家・谷崎潤一郎、新劇作家の小山内薫と田中栄三らであった。その成果が1919年の『生の輝き』や20年の『アマチュア倶楽部』であるが、ハリウッドからはグリフィスの『イントレランス』や既に人気のあったチャップリンらのモダンで斬新な作品の影響で日本映画も変革せざる得ない時代となっていた。こうして日本に初めて「女優」が誕生する。チャップリンのいたエッサネイ社で働いていたトーマス栗原やトーマス・インスのスタジオで俳優もしていたヘンリー小谷らのハリウッドからの帰国した映画人がここに加わり、日本映画は大きく進化することになる。
尾上松之助の時代劇(旧劇)を中心に女形を使った新派劇の映画化をしていた日活(1913年設立)対抗して1920年に蒲田にスタジオを建てた松竹 (1921年設立)は、野村芳亭が中心であったが、一方でヘンリー小谷を招くとともに野心的な「純映画運動」の小山内薫を招いて「松竹キネマ研究所」を設立。ここで最初に製作されたのがシュミットボン『街の子』(森鴎外訳)、ゴーリキー『夜の宿(どん底)』(小山内訳)を元にした『路上の霊魂』である。
小山内薫は総指揮とともに俳優としても出演。監督は村田実、脚色が牛原虚彦、光線(照明)が島津保次郎、息子役には鈴木傳明(東郷是也)。村田実は20年代末から30年代にかけて日活太秦の、牛原虚彦、島津保次郎の二人は松竹・蒲田の巨匠監督として活躍することになる。
ちなみに溝口健二が日活向島に入社したのが1920年でデビューが23年、小津安二郎が松竹・蒲田に入社したのが23年で27年に監督デビュー、伊藤大輔は小山内の門下でありヘンリー小谷の脚本を経て24年に帝キネの現代劇で監督となった。
『路上の霊魂』あらすじ
山奥の製材所の経営者・杉野には許嫁を残して家出した息子・浩一郎がいた。浩一郎はヴァイオリニストになることを夢見て東京に出ていたが音楽界を追われ、妻・娘を連れて故郷に戻ろうとする。しかし父は息子を許さず、浩一郎一家はクリスマスにも飢えることになり…。
----------ゲスト・ミュージシャン
■ピアノ:古元美千子(ふるもと・みちこ)
4歳からピアノを始める。
大学在学中には様々な楽器の伴奏や学生オーケストラとのピアノコンチェルト共演など、出演演奏会多数。今年、大阪音楽大学を卒業し、現在は小・中学校で非常勤講師として勤務する傍ら演奏活動にも励んでいる。
■フルート:久保田裕美(くぼた・ゆみ)
大阪音楽大学音楽学部器楽学科卒業。
フルートを待永望、大江攻志、遠藤剛史、榎田雅祥の各氏に師事。
あるるフルートアンサンブルにてアンサンブルを平岡洋子氏に師事。
フルートマスタークラスをギャスパー・オヨス、タデュー・コエロ、ハンスゲオルグ・シュマイザーの各氏に受講。現在、神戸・大阪を中心にフリーの演奏者としてオーケストラ、室内楽、アンサンブル等の演奏活動を行っている。
■ヴァイオリン:膳 ルミ子 (かしわで・るみこ)
京都出身。京都市立音楽高等学校卒業。
京都市立芸術大学 音楽学部卒業。
2002年京都市立芸術大学音楽学部 創立50周年記念ドイツ公演を機に抜擢された、弦楽専攻生アンサンブル(京都室内オーケストラ)に参加。
ドイツにて「ヴァインガルテン若い芸術家による音楽週間」の音楽監督 W.Jahnの招集により、音楽祭のオープニングコンサート、フライブルク、バートシュッセンリート等における計5回の公演に出演。
その後も 京都バロックザールでのコンサート、ドイツ・フランス公演と、活動を続けている。
2004年度バロックザール賞授賞。
現在 ソロ、アンサンブルで演奏活動をしながら、草津チェンバーオーケストラ、龍谷大学交響楽団などの指導にあたる。
■大和川レコード(ヤマトガワレコード)
アーティスト、日常編集家:アサダワタルの個人屋号。
弾き語り、ビデオパフォーマンス、バンド(「越後屋」「SamuraiJazz」等)や映画、
CM等でのドラム演奏、環境音編集、ローテク展示、オルタナティブなスペースやメ
ディアの運営、トークショーの司会業等々、多岐にわたり超雑多に活動。08年、横浜
BankART1929の公募企画「CafeLiveSeries2008」にて、最上位賞「BankART賞」受賞。
06年より、大阪市文化事業「築港ARC」のチーフディレクター。
http://yrecord.exblog.jp/
■クスミヒデオ
ギター、オリジナル弦楽器
1972年 和歌山県出身
弦楽器を中心とした多種の楽器と声で
大阪を拠点に多くのライブイベントを騒がす硬派軟体音楽家。
PLANET+1では、もう恒例行事となりました、サイレントフィルムの生演奏付上映。
サイレント映画って、なんかとっつきにくいって方でも、大丈夫◎
もちろん、サイレント映画はサイレントで!って方も是非一度御参加を!
映画のストーリー、見せ場を充分理解した上、うるさすぎず、ときにミュージシャンそれぞれの
色をいかした音楽で、渡邊崇プロデュースの元、古きよきものと新しい感覚が融合する上映です。11月からも新たにスタートします。
詳細は下記の専用HPでもご覧になれます。
スケジュール
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10/19(土)大阪歴史博物館・4階講堂 |
| サウンド・オン・フィルム-10 |
13:30〜開場 |
料金
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路上の霊魂 |
| 当日 |
2600円均一 |
前売(指定席) |
2300円 |
PLANET会員の方はメール予約可能(予約席は50番先頭)
ホームページ
http://www.nikakari.com/soundonfilm/