メドヴェドキンの『幸福』とロシア・アヴァンギャルド

【2009年06月20日 から 6月26日(金) まで 】

メドヴェドキンの『幸福』とロシア・アヴァンギャルド

編集=画面と画面の掛け合わせによって「意味」を生み出す。映画は文字が読めない人々にも人間の考え方を伝えることが可能だ!
社会主義革命後のソビエト=ロシアでは「新しい国家」と「新しい世界」を目指した。
映画はその最先端で国民=人民に20世紀のソビエトの考えを伝えようとした。その要請に応じて、新しい芸術家が生まれる。
エイゼンシュテイン、プドフキン、ヴェルトフ、ドヴジェンコ。 この4人が20-30年代にかけてハリウッド映画やヨーロッパ映画とは異なった視覚的な物語映画を組み立てようとした。

 中でも90年代に再発見された知られざる監督メドヴェトキンの「幸福」は必見! 全作品日本語字幕付





「幸福」Счастье/The Happiness 1934/35mm/78min(20コマ映写)

監督アレクサンドル・メドヴェトキン
出演エレーナ・エゴロワ、P・ジノヴィエフ

帝政ロシア。貧農のフムィリは、偶然から大量の収穫を得るが、地主や牧師にすべて取り上げられる。
悲しみのあまりに自殺しようとする。警察は「自由思想」の罪で鞭打ち刑に処し、フムィリは戦場送りに。
革命後、集団農場が誕生しフムィリは労働するがなかなか順応できない…


「幸福」の探求を通じて、農村における新旧勢力の対立を描くファンタジックなコメディ。
クリス・マルケル監督のドキュメント『アレクサンドルの墓』でメドヴェトキン監督が注目され、もう一人のヴェルトフとしても日本国内で知られるようになったのはここ10年のことである。
しかしメドヴェトキンの再評価にきっかけは1970年代のフランスであった。
ゴダールが左翼と連携し69年に「ジガ・ヴェルトフ集団」を結成し、ヴェルトフのニュース映画シリーズ「キノプラウダ」シリーズとその集大成『カメラを持った男』のアイディアから
「アジビラ映画」を作っていた一方で、フランス共産党に近いクリス・マルケルはメドヴェトキンを再発見する。

メドヴェトキンの再評価は彼が30年代にソビエトで画策した「映画列車」なるもの。
これは列車で各地を旅しながら撮影し、上映するというものだった。
そしてマルケルは70年代にメドヴェドキンの傑作『幸福』の上映運動をしゴダールの「ジガ・ヴェルトフ集団」に対抗するかのように「メドヴェトキン集団」を結成した。
それから20年が過ぎ1993年にヴィデオでメドヴェトキンについてのドキュメント『アレクサンドルの墓』を完成させたのだ。
日本では1995年に『アレクサンドルの墓』が公開され、メドヴェトキンの名とその傑作『幸福』が知られるようになった。
まさに本作は失われていたソビエトの巨匠の作品として知られるようになったミッシング・リング!


「カメラを持った男」 Человек с киноаппаратом
The Man with Movie Camera 1929/75min/Silent 

監督ジガ・ヴェルトフ
撮影ボリス・カウフマン
編集エリザベータ・スビロバ

映画カメラを担いだ男、彼は新都市モスクワの街中に出て群衆を、機械を、労働者を活写する。
映画館、編集室、カメラを行き来する映画。現実と虚構が交錯する!


社会主義建設に邁進するソ連の姿を、カメラを持った男がとらえていく。
多様なモンタージュを駆使、独自のリズムで「映画=眼」を提唱したヴェルトフ監督の代表作。


〜ソビエト=ロシア短編集〜

「グルーモフの日記」Дневник Глумова/Grumov Dialy 1923/5min
監督:セルゲイ・M・エイゼンシュテイン

エイゼンシュテインのデビュー作「グルーモフの日記」は演劇のコラボ用に製作された短編。


「キノプラウダ6号」Кино-правда 6/Kino-Pravda No6 1922/26min
監督:ジガ・ヴェルトフ
撮影:ボリス・カウフマン
編集:エリザベータ・スビロバ

「カメラを持った男」以前にニュース映画シリーズとしてヴェルトフが活写した「キノプラウダ」の6本目。


「ベージン草原」Бежин луг/Bazin Luv 1937-67/30min
監督:セルゲイ・M・エイゼンシュテイン
主演:

最後にエイゼンシュテインが、富豪の陰謀を告発して、その一味の父親に殺された少年の実在の逸話をもとに撮影したが、スターリンの粛正にあって未完となったフィルムの修復版!


「母」Мать/Mother 1926/86min 

監督フセヴォロド・プドフキン 
原作マクシム・ゴーリキー
出演ヴェラ・バラノフスカヤ、ニコライ・バターロフ、アンア・ゼムツォワ

帝政ロシア。息子が革命運動にかかわるのに反対する母は、警察の甘言にそそのかされて、息子が隠した武器を密告。行動の愚かさに気づいた母は脱獄計画を助けるようになった…

文豪ゴーリキーの原作を主役にモスクワ芸術座の名優をキャストし、ラストの並行モンタージュが有名なプドフキン監督の代表作。


「戦艦ポチョムキン」Броненосец Потёмкин/Battleship Potemkin 1929/66min 

監督セルゲイ・M・エイゼンシュテイン
撮影エドゥアルド・ティッセ

1905年。革命の気運がしばらく軍隊の内部にまで高まる帝政ロシア末期、オデッサ港から遠からぬところに碇泊するポチョムキン号で叛乱がおこった。その動きに呼応して陸上でも…

1905年当時の歴史的事実を映画化。エイゼンシュテインの名を不滅にした映画史上の傑作。特にオデッサ虐殺の階段のシーンは「映画史上、最も有名な6分間」ともいわれる。


スケジュール

13:00〜 15:00〜 17:00〜 19:00〜 19:30〜
6/20(土) 幸福 短編 サウンド・オン・フィルム「戦艦ポチョムキン」
6/21(日) カメラを持った男 幸福
6/22(月) カメラを持った男
6/23(火) 戦艦ポチョムキン
6/24(水) 幸福
6/25(木) 短編
6/26(金) カメラを持った男

料金

メドヴェドキンとロシア・アヴァンギャルド
一般1回券 1200円
一般3回券 3000円
会員・学生1回券 1000円
会員・学生3回券 2500円
20才以下7日間フリーパス 1500円
サウンド・オン・フィルム 1500円均一
前売・予約はありません。
混雑する場合は当日整理券を発券いたします。
20才以下パスは証明するものがあれば学生でなくとも使用出来ます。ただし
20才以下パスでサウンド・オン・フィルムにされる場合は別途500円追加となります。
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